*蝶*


繭の中
蛹になった僕の側で
君は僕の誕生を待っていた

脈打つ鼓動を聞きながら
僕は君を思った
君は僕を思っていた

君は美しい蝶を願った
僕は毒を持った蝶を願った
君を毒して僕自身すら毒す
諸刃の剣を思った

毒の回った体のままで
僕は生まれた
僕の毒は僕を壊し
そして…
君を壊した













これを書いたのは、高校生の時でしょうか。
既に、あまり覚えがありません。
しかし、これは本来、小説の中の一部分でした。
その小説は、元が何処かへ消えてしまい…
イメージはまだあるのですが、何をどう書こうとしていたのか…
さっぱり分かりません。
桜と蝶と、僕と君。これがイメージだったのです。
いつか、これを元に小説を書いてみたいです。
蝶は大好きです。標本が欲しいです。

2007/6/15初出